整骨院の事業内容の書き方・ポイントを分かりやすく解説!
整骨院の独立開業を成功させたい場合は、事業計画書を詳細に作成することが重要です。事業計画書は提供する商品・資金計画・事業の見通しなどをまとめた書類であり、何を取り扱う事業か・事業計画に問題点はないかを可視化できます。
ただ、これまでに事業計画書の作成経験がない人は、何をどう書けばいいのか分からないことも少なくありません。書き方やポイントを把握し、融資が受けられるようにしましょう。
今回は、整骨院を開業する際に必要な事業計画書の書き方と、書くときに意識するポイントを解説します。整骨院の開業を考えている人は参考にしてください。
整骨院の開業において事業計画書が重要な理由
整骨院の開業には、出店するためのテナント料や設備購入にかかる費用など、多くの初期費用がかかります。資金確保のために銀行など金融機関に融資を申し込む場合、応募先へ提出する書類が事業計画書です。創業の場合は創業計画書を作成します。
事業計画書に記載する項目は経営者の略歴や事業内容以外に、資金状況や事業の見通しについてなどさまざまです。金融機関は事業計画書の各項目を精査し、事業に問題性がなく将来性も期待できると判断すれば融資を行います。
開業に必要な初期費用を融資してもらうためには、事業計画書が正しく書けていなければなりません。
整骨院における事業計画書の書き方
整骨院の開業に必要な資金を融資してもらえるかどうかは、事業計画書にかかっているといえます。事業計画書を書くときは正確な情報を記載しつつ、読み手である金融機関の担当者が魅力を感じられる書き方で作成しましょう。
ここでは、整骨院における事業計画書の書き方を7つの項目別で解説します。
創業内容
開業する事業について「どのようなビジネスなのか」「なぜ開業を志したのか」をまとめます。整骨院を開業する場合は、「柔道整復師として患者さんに柔道整復の施術を行う」ことを事業内容として記載しましょう。
開業の動機に関しては、自分がなぜ整骨院を開業したいと考えたのか、また開業して経営できるだけの自信があることを記載してください。
創業内容では、開業する経営者に明確な経営理念やビジョンがあることを見られます。開業を考えている地域に対する思い入れや、整骨院・接骨院で雇われとして働いた経験者であることなどをアピールしてください。
略歴
略歴では、最終学歴と過去に働いていた仕事の職歴を記載します。記述形式は履歴書に似ているものの、記載した略歴は読む人にアピールする要素であるため、職務経歴書の書き方を意識しましょう。
整骨院を開業するためには国家資格の柔道整復師資格が必要であり、整骨院での勤務経験も魅力的な実績となります。柔道整復師の資格を取得するために専門学校で学んだことや、整骨院で職務経験を積んだことなど、自身の略歴をアピールしてください。
年月は「元号・月」の形式で書き、略歴の最後には開業する整骨院について「(会社名)整骨院開業予定」と記載します。過去に何らかの経営経験があれば、事業経験の有無もしっかり書きましょう。
資格
略歴の下には取得資格について記載する欄があります。整骨院の施術者は柔道整復師資格が必要であるため、「有」のチェックボックスにマークしたうえで取得資格を記載しましょう。
取得資格は正式名称で記載する必要があります。柔道整復師資格の正式名称は「柔道整復師」であるため、そのまま記載してください。番号の記載も必要な場合は、柔道整復師免許の登録番号を記載します。
柔道整復師の資格者であることは、整骨院を開業するうえで必須といえる条件です。資格未記載の事業計画書では審査通過が難しくなるため、取得資格は忘れず記載してください。
商品・サービス・セールスポイント
商品・サービス・セールスポイントでは、開業する整骨院で取り扱う施術の名称・種類・費用について記載します。ただ事実を並べるだけでなく、整骨院の商品である施術にどのような特徴・魅力があるのかをアピールしましょう。
近隣に類似のサービスを提供する競合他社は存在するのかなど、商品・サービスを取り巻く状況も説明が必要です。特殊な技術・機器を導入する場合は導入内容や費用も具体的に記載します。
金融機関から融資を得ることを考えた場合、事業計画書を読む人が施術や業務に関する専門知識を持っていないことに注意してください。専門用語はなるべく使わず、誰でも読みやすい言葉遣いで書きましょう。
取引関係
取引関係は、商品・サービスを提供する取引先・販売先について記載します。整骨院では来院される患者さんが取引先となるものの、「立地エリア周辺の一般個人」と書くだけでは読んだ人に情報が伝わりません。
整骨院の取引関係では「施術を受けるターゲット層」を記載しましょう。どのようなターゲット層を想定しているのかを明記することで、開業する整骨院の商品・サービスに説得力が生まれます。
記載するターゲット層は、「創業内容」や「商品・サービス・セールスポイント」と矛盾が生じないように注意してください。
資金・調達方法
開業に必要な資金と資金使途、資金の調達方法を記載します。整骨院の開業に必要な施設・店舗設備などに金額がいくらかかるのかを明記して、購入する見積先も記載しましょう。
資金の調達方法では、自己資金をいくら出しているのかが重要です。金融機関から融資を受ける場合は、開業に必要な資金の1/3~1/4程度を自己資金として出すことが目安となります。
事業の見通し
事業の見通しとは、開業後に事業が成功することをアピールする項目です。売上高・売上高・経費・利益などについて、「創業当初」と「軌道に乗った後」で金額を計算します。金額の計算については希望的観測ではなく、根拠となる計算式も併せて記載しなければなりません。
金融機関は事業の見通しによって「事業が成功するかどうか」を判断するため、融資してもらうために重要な項目です。「収益性があり安定経営できる事業である」ことを説明するためには、明確な根拠と正確な数字を記載しましょう。
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整骨院の事業計画書を書くときのポイント
事業計画書は書き方をマスターするだけでなく、読む人のことも考えて作成しなければなりません。整骨院の事業計画書を書くときのポイントを3つ紹介します。
◯SWOT分析を行う
SWOT分析とは、自社事業や商品について「強み・弱み・機会・脅威」の4点で分析する手法です。整骨院の事業についてSWOT分析を行うことで、事業計画書に自社の魅力や乗り越えるべき課題が明記しやすくなります。自社事業をプラス面・マイナス面ともに正しく分析・管理できていることは、融資を申込む金融機関に好印象を抱かせる材料です。
◯各項目の内容につながりを持たせる
事業計画書に記載する「創業内容」から「事業の見通しまで」までの各項目は、互いに高い関係性を持つ項目です。例えば、「創業内容」に記載する創業動機は略歴の就業経験と関係があり、取得資格とも結び付いています。各項目の内容はつながりを持っていることを意識して、整合性が取れる内容を書きましょう。
◯面接の準備であることも意識して作成する
金融機関への融資申込は事業計画書を提出するだけで終わらず、必ず面接が行われます。面接では事業計画書の内容に沿って話をしたり、質問に答えたりするため、面接での受け答えと事業計画書に記載した内容で矛盾が出ないようにしましょう。事業計画書は面接の準備であることも意識して作成してください。
資金融資の可能性を上げるためには、金融機関と信頼関係を築ける事業計画書の提出が欠かせません。開業する整骨院を魅力的に、分かりやすく説明できる事業計画書を作成しましょう。
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まとめ
今回は、整骨院を開業する際に必要な事業計画書の書き方や、書くときに意識するポイントを解説しました。
整骨院の開業に必要な資金を融資してもらうためには、詳細な事業計画書の作成が欠かせません。事業計画書は事業の特徴や魅力をアピールする書類であり、経営者の信頼性や能力、経営を軌道に乗せる自信があることなども伝えられます。
事業計画書を書く場合は、SWOT分析などを行って内容を充実させましょう。この記事を参考にして、融資の獲得が有利に進められるようにしてください。