整骨院の自宅開業におけるメリット・デメリット|開業にかかる費用も
整骨院は、必要条件を満たして申請手続きをすれば、自宅でも開業できます。独立を考えている柔道整復師の中には、資金の関係で自宅開業を検討する方もいるでしょう。
整骨院の自宅開業には多くのメリットがある一方で、少なからずデメリットも存在します。開業の際には、それぞれについての理解を深めなければなりません。
そこで今回は、整骨院を自宅開業するメリットとデメリットについて詳しく解説します。自宅開業にかかる主な費用や、開業の際におさえるべきポイントも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.整骨院を自宅で開業するメリット4つ
- 1.1.家賃・施工費を抑えることができる
- 1.2.通勤時間がかからない
- 1.3.急患対応がしやすい
- 1.4.仕事と家庭の両立が可能となる
- 2.整骨院を自宅で開業するデメリット3つ
- 2.1.集客が難しい
- 2.2.プライバシーを確保しづらい
- 2.3.物件を売却しづらい
- 3.整骨院の自宅開業にかかる主な費用
- 4.整骨院を自宅で開業する際のポイント2つ
- 4.1.生活感を出さないように注意する
- 4.2.オンライン集客に力を入れる
- 5.まとめ
整骨院を自宅で開業するメリット4つ
整骨院を自宅で開業している(ことがわかる)画像、もしくは整骨院の画像
柔道整復師の施術所である整骨院は、年々増加しています。厚生労働省の発表によると、平成30年の整骨院の数は50,077か所です。平成28年度より、わずか2年で2,053か所も増加していることがわかります。
(出典: 厚生労働省「平成30年_衛生行政報告例_就業医療関係者_概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/18/dl/gaikyo.pdf)
増加し続ける整骨院の中には、自宅開業となるケースも少なくありません。整骨院の自宅開業には、さまざまなメリットがあるためです。
以下にて、整骨院を自宅で開業するメリットを一つずつ詳しく解説します。
家賃・施工費を抑えることができる
自宅で整骨院を開業すると、家賃を大幅に抑えられます。
テナントを借りて整骨院を開業する場合、月々数十万円の家賃のほか、共益費や管理費も必要です。都市部で開業した場合は、トータル費用はさらに高くなるでしょう。また、マンションの一室にて開業した場合も、自宅以外に家賃がかかることに変わりはありません。
また、テナントで整骨院を開業する場合の多くは、構造設備基準に沿った内装工事が必要です。対して、自宅開業は住まいが規定の基準を満たしていれば大がかりな工事が不要となるため、施工費も大幅に節約できます。
このように、初期投資を最小限に抑えられることが、自宅開業の大きなメリットです。
通勤時間がかからない
テナントを借りて開業する場合は、通勤時間が必ず発生します。しかし自宅開業の場合、通勤の必要がなくなるため、自ずと通勤時間も発生しません。
仮に、郊外から都市部へ毎日往復2時間かけて通った場合、週5日で月に約40時間もの時間が通勤時間として奪われます。一方で、自宅で開業すれば通勤時間がまったくなくなるため、通勤に充てるべき時間で身体を休めたり、集客・戦略について考えたりと、時間を有効活用できることが魅力です。
渋滞や満員電車によるストレスもないため、常に気持ち良く仕事と向き合うことができます。さらに交通費もかからず、経済的な点もメリットです。
急患対応がしやすい
自宅と整骨院の距離が離れている場合、迅速に対応すべき急患の対応ができません。しかし、自宅兼整骨院であれば、休日や休憩時でも患者さんを待たせずに済みます。移動の手間がかからず、施術者の負担も最小限に抑えることが可能です。
急患に迅速対応できる整骨院は、地域への貢献度が非常に高いと言えます。良い口コミが広がれば、自院を選ぶ患者さんも増えるでしょう。
単純に急患対応がしやすくなるだけでなく、急患への迅速対応によって、患者さんからの信頼度の向上や高い評価にもつながる点は、自宅開業の大きなメリットです。
仕事と家庭の両立が可能となる
仕事と家庭の両立ができることも、自宅開業のメリットです。子育て世代であれば、子供の近くにいながら仕事ができるため、より安心して働くことができます。
自分が働く風景を家族に見せられるため、仕事に対する理解度も上がります。忙しいときは、家族へのサポートが比較的受けやすくなるでしょう。
家族とコミュニケーションをとる機会が増え、良好な関係を保つことにつながる点も、一つのメリットです。
整骨院を自宅で開業するデメリット3つ
自宅開業は、仕事とプライベートの境界線があいまいになりやすいため注意が必要です。
オン・オフの切り替えが苦手な方においては、常に仕事をしているような感覚に陥りやすく、メリハリをつける工夫が欠かせません。
次に、整骨院を自宅で開業するデメリットを3つ解説します。
集客が難しい
整骨院の自宅開業は、テナントと比べて集客が難しいことがデメリットです。
テナントの多くは立地に恵まれており、通行人に認知されやすい利点があります。一方で、自宅開業の整骨院は住宅地に構えることが多く、目立ちにくいことが難点です。
また、テナントはガラス貼りの物件が多く、院内の様子が外より見えます。自宅兼整骨院は院内の様子を見ることができないため、来院のハードルも低いと言えます。
多くの方に認知され、来院してもらうためには、目立つ看板を設置するなどの工夫が必要です。
プライバシーを確保しづらい
自宅で整骨院を開業すると、プライバシーを確保しづらくなることもデメリットの一つです。
自宅開業では、不特定多数の人に自宅住所などの個人情報を明かすこととなります。また、間取りやレイアウトによっては、来院した患者さんに生活スペースが見られてしまう可能性がないとも限りません。生活圏内の患者さんが中心となるため、外出時に顔を合わせる機会も多くなります。
間取りを工夫するなどで解決できる問題もありますが、「プライバシーを絶対に確保したい」という方は、自宅開業には適しません。
物件を売却しづらい
整骨院の移転や廃業を考えた際、物件を売却しづらいといった点もデメリットです。
整骨院用に改装された物件は、マイホームとしての価値が下がります。外観や間取りの問題然り、人の出入りがあった物件をマイホームとして買いたいと考える方はそれほど多くありません。新築や改装にかかった費用を取り戻すことは、極めて困難となります。
さらに、集客に苦労する可能性がある場所であれば、同様の目的を持った経営者にも需要がありません。自宅開業はテナントよりも、より計画的に進める必要があります。
整骨院の自宅開業にかかる主な費用
自宅開業にかかる主な費用は、安価な場合で10万円前後となります。開業に必要となる主な備品・消耗品は、下記のとおりです。
施術用 |
白衣・ベッド・枕・リネン類・脱衣かご・骨格模型 など |
受付用 |
診察券・カウンター・イス・レジ・コピー機・電話・文房具 など |
待合室用 |
スリッパ・玄関マット・傘立て・靴べら・加湿器・空気清浄機 など |
その他 |
掃除用具・トイレ用品・冷蔵庫 など |
費用の目安はあくまで、必要最小限の準備をした場合となります。各種保険料や人件費、広告宣伝費や高額な医療機器を購入した場合の費用は含みません。
なお、初期投資を抑える方法として、医療機器や備品を一部レンタルする選択もあります。整骨院を自宅開業する際は、費用の把握はもちろん、各種申請手続きや事業経営に関わる基礎知識も欠かせません。
整骨院を自宅で開業する際のポイント2つ
整骨院の自宅開業に成功するためには、下記の2点に力を入れることが重要です。
①新規患者さんを増やす ②新規患者さんをリピートさせる |
上記を実現するためには、丁寧な接客・施術を心がけることはもちろん、チラシなどの基本的な宣伝方法も用いる必要があります。
また、自宅開業ならではとして、以下のポイントもおさえましょう。
生活感を出さないように注意する
整骨院を自宅開業する際は、内装はもちろん、臭いや生活音にも注意が必要となります。
具体的な対策 |
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上記を実践して、「他人の家」に行くような感覚をなるべく払拭することがポイントです。
また、施術者がだらしない格好では台無しのため、清潔感のある身だしなみも心がけましょう。
オンライン集客に力を入れる
幅広い人たちに自院を認知してもらうためには、オンライン集客に力を入れましょう。オンライン集客は、ホームページの作成が重要です。
ホームページを漠然と作成しても、優れた集客効果は得られません。インターネットでアクセスが集まるホームページを作成することが肝要であり、訴求性のある内容に仕上げることも重要となります。
これからホームページを作成する方はもちろん、作成しているホームページの効果が感じられないという方には、整骨院を含む治療院専門のホームページ作成ツール「セルフル」がおすすめです。
セルフルの主な魅力 |
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セルフルは専門スタッフによる一貫したサポートが受けられるため、専門知識がなくても心配ありません。治療院専門コンサルタントによる指導・添削で、未経験者には作成が難しい集客効果のあるホームページが作成できます。
さらに、安心の定額制で余計な費用もかかりません。自宅で整骨院を開業する場合は、優れた集客効果を得るためにも、ぜひセルフルをご利用ください。
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まとめ
自宅で整骨院を開業すれば、家賃や施工費を大幅に抑えられるだけでなく、通勤時間が不要となり、急患対応しやすいこともメリットです。
一方で、テナントよりも集客が難しい一面や、プライバシーが確保しづらいというデメリットもあります。物件を手放す際に売却しづらいことも、デメリットと挙げられるでしょう。
自宅開業を成功させるためには、生活感を出さないことがポイントです。また、自院の認知度を高めるためにも、ホームページを作成するなどして、ぜひオンライン集客に積極的に取り組んでください。