整骨院の経営が厳しい理由|潰れる原因・成功させるコツ
近年、整骨院の軒数が増加しています。骨折や打撲などのケガに対する施術のみならず、肩こりや腰痛を緩和する整復術も利用できるため、身近な地域診療所が増えることは世間一般には喜ばしいことです。
しかし、競合の増加に伴い、廃業に追い込まれる整骨院も増えています。そのため、「施術の腕はいいのになぜか患者が増えない」と、悩みを抱えている経営者もいるでしょう。
そこで今回は、整骨院の経営が厳しい理由や潰れる原因、経営を成功させるコツについて詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.整骨院の経営が厳しい状況にある理由
- 2.整骨院が潰れる主な原因
- 2.1.経営力が不足している
- 2.2.保険収入が少ない
- 2.3.資金調達が難しい
- 3.整骨院の経営を成功させるためのコツ
- 3.1.月の売上・利益・一人あたりの単価を把握する
- 3.2.施策を勘案して課題を抽出する
- 3.3.指標を設定した上で課題の解決を進める
- 4.経営問題を解決したいならコンサルタントの活用も一つの方法
- 5.まとめ
整骨院の経営が厳しい状況にある理由
整骨院の経営が厳しい現状にある理由は、近年柔道整復師が大きく増えている点が挙げられます。柔道整復師は整骨院や接骨院、スポーツトレーナーとして活躍できる国家資格です。
厚生労働省の調査によると、平成30年における柔道整復師の数は73,017人で、平成28年よりもプラス7.2%、4,897人の柔道整復師が新たに誕生しています。平成20年から換算すると、10年間で約3万人も柔道整復師は増えています。
柔道整復に関する施術所数は平成30年時点で50,077カ所であり、柔道整復師の有資格者と同様に施術所数も平成28年からプラス4.3%、2,053件増えています。10年間では約15,000カ所増加しています。
(出典:厚生労働省「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/18/dl/gaikyo.pdf/)
一方、帝国データバンクの調べによると、整骨院やマッサージ業者の全国における倒産件数はここ10年で増加傾向にあります。2018年に2000年以来最高の倒産件数85件を記録した以降も、同様の傾向が続いています。
(出典:帝国データバンク「整骨院・療術・マッサージ業者の経営実態調査」https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p191102.pdf)
以上から、柔道整復師による整骨院の数が増えたことで競争激化が顕著となり、十分な通院者を獲得できず、廃業に追い込まれる整骨院が増えていると考えられます。
整骨院が潰れる主な原因
ここまで、整骨院同士による過当競争が原因で、倒産する整骨院が増えている実態を説明しました。とはいえ、厳しい競争を勝ち抜いている整骨院が存在することも事実です。
では、一部の整骨院はなぜ競争に勝てないか、ここでは整骨院が倒産する原因を掘り下げて解説します。
経営力が不足している
人々が整骨院に通院する大きな理由は、病気やケガを改善するためです。もちろん、整骨院で働く柔道整復師の技術が優れていることは大切ですが、「腕が良い」だけでは整骨院の経営は成り立ちません。整骨院の経営力が不足していることが、廃業に至る要因のひとつです。
たとえば、施術時間に見合わない少額の費用を要求していては、売上は上がりません。患者さんにとって良心的な施術費はありがたいものの、事業者としては利益を上げることを念頭に置く必要があります。
こうしたビジネスのノウハウを、整骨院もしっかりと習得することが重要です。
保険収入が少ない
整骨院におけるすべての施術が保険適用になるわけではありません。
たとえば、骨折・捻挫・脱臼・打撲などは保険診療に該当しますが、慢性的な肩こりや腰痛を和らげる施術では保険請求できません。
にもかかわらず、保険外の症状であるのに「捻挫」と偽って保険適用にしたり、水増し請求や架空請求を行ったりするなど、世の中には療育費のルールを悪用する整骨院もいます。
こうした現状に対し、国は不正を防ぐために保険審査を厳格化し、不正請求の摘発も行っています。国による取り締まりの強化によって保険収入が減った整骨院が経営不振に陥り、廃業するケースは決して少なくありません。
保険適用となる施術での収入に依存しない自費メニューの充実化は、整骨院の経営に欠かせない事項です。
資金調達が難しい
整骨院の開業や運営には、潤沢な資金が必要です。自己資金があまりない場合は、金融機関からの融資を期待している人も多いでしょう。
しかし、前述したような保険の不正請求や業界全体の景気後退から、整骨院の信用度が落ちて銀行などの融資審査が厳しくなったために、整骨院の資金調達は困難になりつつあります。
資金さえあれば、設備や宣伝広告、人材にも投資でき、健全な経営を保てる可能性はあります。しかし、金融機関から資金を調達することが難しいという現実も、整骨院の倒産件数を増やしている一因です。
整骨院の経営を成功させるためのコツ
「経営力不足」「保険収入の減少」「資金難」など、整骨院が倒産する原因は決してひとつではありません。整骨院の経営を成功させるためには、現状の問題を明確化し、倒産に陥らないよう対策を講じる必要があります。
ここでは、整骨院の経営を成功させるコツを詳しく解説します。
月の売上・利益・一人あたりの単価を把握する
どのような商売においても、月の売上・利益・一人あたりの単価を把握することは大切です。もちろん、整骨院の経営も同じです。アバウトなどんぶり勘定では利益を上げられないため、施術の単価や月間の売上・利益などの経営状態を正確に把握してください。
また、患者がリピートしない整骨院は経営不振に陥りがちです。新規患者数を増やすことも大切ですが、リピーターを増やしてリピート率を上げるほうが、新たに患者を獲得するよりも着実な利益につながるでしょう。
整骨院の利益を確保するためには、LTV(顧客生涯価値)の把握も欠かせません。LTVとは、顧客が一生涯で企業にもたらす利益や価値を指します。企業にとってはLTVが高いほど経営が安定します。
たとえば、「LTV=顧客の平均購入単価×平均購入回数」と計算する場合、単価または購入回数を上げると、LTVはアップします。整骨院に当てはめれば、一回の施術費用を高くするか、リピート率を上げるとLTVも上がり、収益につながります。
加えて、1人の新規患者を獲得するために必要なコストを指すCPAも注視すべきです。整骨院におけるCPAは、新規患者の獲得に向けて捻出した広告費用を、実際に獲得できた患者数で割ることで算出できます。
このように、整骨院の経営を正常化するためには、月の売上・単価・リピート率・新規患者数・LTV・CPAを認識することが必要です。
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施策を勘案して課題を抽出する
売上の向上ために自分なりにあれこれと情報収集し、何らかの対策を取っている整体院の経営者は多いでしょう。しかし、今行っている対策が必ず有効であるとは限りません。経営がうまくいっていないときは、売上を上げるために実施してきた施策を一度見直すことも必要です。
効果のない施策を無駄に続けないためにも、施策に対する結果の精査は欠かせません。精査することによって、今本当に取り組むべき課題も見えてきます。
指標を設定した上で課題の解決を進める
指標の設定は、施策の成果を知るために重要なポイントです。
指標を設けることで、施策の成否を判断する基準となります。
たとえば、「月間の新規顧客5人」という指標を設定したとします。施策を実施した結果、その月に獲得した新規顧客が3人だった場合、施策は効果が出ていないと考えられます。
このように、指標を設定すると施策の効果を判断でき、課題に対する効果的な解決策や取り組みを実践しやすくなります。
課題が複数ある場合は取り組むべき優先順位をつけ、解決策を練りましょう。
経営問題を解決したいならコンサルタントの活用も一つの方法
整骨院を潰さないためのさまざまなコツを解説しましたが、毎日の施術と並行して経営にも力を入れられるか自信がない人もいるでしょう。
整骨院の経営課題を解決したいときは、専門のコンサルタント会社を活用しましょう。
「プロデュース・アクティビスト」は、整骨院の経営問題の解決につながるサービスやツールを提供している会社です。ネット集客の向上につながるホームページ制作ツールや顧客管理・予約システムのほか、プロのコンサルタントが治療院の経営を対面でレクチャーする学校も運営しています。
ホームページの制作や予約システムの導入にかかる手間を省くことで、自身は本業に専念できるというメリットがあるだけでなく、経営の正常化も期待できます。経営不振に悩んでいる場合は、「プロデュース・アクティビスト」にぜひ相談してください。
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まとめ
近年、柔道整復師や整骨院が増加して供給過多となり、潰れる整骨院も増えています。整骨院の経営が厳しい根幹には、経営者としての力量不足や資金不足などがあります。
整骨院の経営を成功させるためには、顧客単価やリピート率をはじめとする数値を把握し、指標を立てて施策を遂行することが大切です。さらに、経営面のサポートをプロのコンサルタントに依頼する手段もあります。
整骨院のホームページや予約システムを導入し、経営の正常化を図りたい場合は、「プロデュース・アクティビスト」にお問い合わせください。