治療院の将来はどうなる?今後に必要な経営戦略とは
治療院の将来は、就業者数や施設数の推移、人口推計などのデータから予測できます。人口が減少する日本で治療院経営を継続するためには、先を見据えた経営戦略が必要です。
この記事では、治療院を取り巻く現状や未来の問題、将来の不安解消に向けて治療院が取り組むべき対策について解説しています。さらに、コスト削減や利益率向上に役立つ治療院向けサービスも紹介します。治療院の経営を成功させたい方はぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
治療院の将来は暗い?治療院を取り巻く現状
厚生労働省が発表した調査データによると、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師などの就業国家資格者数は、下記のように推移しています。
平成26年度 |
平成28年度 |
平成30年度 |
|
あん摩マッサージ指圧師 |
113,215人 |
116,280人 |
118,916人 |
はり師 |
108,537人 |
116,007人 |
121,757人 |
きゅう師 |
106,612人 |
114,048人 |
119,796人 |
柔道整復師 |
63,873人 |
68,120人 |
73,017人 |
(出典:厚生労働省「衛生行政報告例」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/36-19.html)
全国の就業資格者総数は、平成26年度から平成30年度にかけて全ての国家資格で増加しました。はり師ときゅう師はともに約103,000人、柔道整復師は約9,000人、あん摩マッサージ指圧師は約5,700人の増加となっています。
国家資格の種類にかかわらず、国内で働く施術者の数は増加傾向にあることが、治療院を取り巻く現状です。
また、国家資格者が施術を行う施設数は、下記のように推移しています。
平成26年度 |
平成28年度 |
平成30年度 |
|
あん摩マッサージ指圧の施術所数 |
19,271 |
19,618 |
19,389 |
はり・きゅうの施術所数 |
25,445 |
28,299 |
30,450 |
あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうの施術所数 |
37,682 |
37,780 |
38,170 |
柔道整復の施術所数 |
45,572 |
48,024 |
50,077 |
(出典:厚生労働省「衛生行政報告例」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/36-19.html)
平成26年度から平成30年度にかけて、あん摩マッサージ指圧を行う施術所の増加数は118か所、あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうを行う施術所の増加数は488か所です。
一方、はり・きゅうを行う施術所の増加数は約5,000か所、柔道整復を行う施術所の増加数は約4,500か所と、比較的多くなっています。国家施術者数と同様に、施術所数も増加傾向です。
治療院の将来は「人口推計」から予測できる
治療院の将来予測では、人口推計のデータが重要となります。総人口や年齢別人口、高齢化率などのデータを参考に、将来の患者さんの数や年齢層を予測することが可能です。
内閣府が発表したデータによると、2030年における日本の人口動態は以下のように推計されます。
2019年(実績値) |
2020年(推計値) |
2030年(推計値) |
|
総人口 |
1億2,617万人 |
1億2,532万人 |
1億1,913万人 |
0~14歳の人口 |
1,521万人 |
1,507万人 |
1,321万人 |
15~64歳の人口 |
7,507万人 |
7,406万人 |
6,875万人 |
65歳~74歳の人口 |
1,740万人 |
1,747万人 |
1,428万人 |
75歳以上の人口 |
1,849万人 |
1,872万人 |
2,288万人 |
高齢化率 |
28.4% |
28.9% |
31.2% |
(出典:内閣府「令和2年版高齢社会白書」/https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/gaiyou/pdf/1s1s.pdf)
2030年における総人口の推計は1億1,913万人で、2019年時点と比較して約704万人減少する見込みです。
年齢別の人口では0~14歳の人口が約200万人減少、15~64歳の人口が約632万人減少、65~74歳の人口が約312万人減少と予測されています。
一方、75歳以上の人口は約439万人増加する見込みです。
年齢別人口の変化にともなって、高齢化率は28.4%から31.2%への上昇が見込まれています。高齢化率とは、総人口に占める65歳以上人口の割合です。
将来における人口の減少は、治療院の経営に悪影響を与えることが予測されます。
地域別の傾向は以下の通りです。
大都市にある治療院の将来
大都市では、15~64歳の人口は維持したまま65歳以上の人口が増えることが予測されます。
地域別の人口推計データによると、大都市における高齢者人口の伸びは2030年から2040年までがピークです。そのため、治療院のニーズは2030年に向けて高まっていくと考えられます。
地方都市にある治療院の将来
地方都市では、15~64歳の人口が減少し、65歳以上の人口は増える見込みです。
高齢者人口が増えるため、2030年までは治療院のニーズも高まると考えられます。一方で、労働人口は少なくなるため治療院の人手不足が予測されます。
地方都市では全体として人口が減っていくため、将来を見据えた治療院経営が重要です。
過疎地域にある治療院の将来
過疎地域では、15~64歳の人口が大幅に減少し、65歳以上の人口は微増または微減で推移することが予測されます。
2020年時点で治療院の需要がピークに達しているため、今後の新規参入は起こりにくいことが過疎地域の特徴です。過疎地域では患者さんと治療院の人手がともに減るため、厳しい経営状態となることが考えられます。
将来の治療院が抱える未来の問題とは?
国内の就業資格者数や施設数が増加する一方で、人口は減少することは治療院にとって無視できない状況です。将来の治療院が抱える未来の問題として、品質・生産性の向上や業態転換の必要性などが予想されます。
人口が減少する地域では、勤務スタッフの技術力や生産性を高めなければ経営を続けることができません。また、人手不足の地域では採用費や人件費の高騰も将来の課題です。
さらに、介護などの新規事業への取り組みも、今後は必要となる可能性があります。チェーン展開を得意とする大企業の参入により、患者さんがチェーン店に流れる恐れがあることも、将来の治療院が抱える未来の問題の1つです。
将来の不安解消に向けて治療院に必要な対策
将来の不安を解消するためには、今から対策を講じる必要があります。立地の見直しや新規事業の創出、リピーター獲得などの対策を早めに始めることで、ほかの治療院よりも有利な経営が可能です。
不安をいち早く解消したい方はこちらから詳しく解説しています!
ここでは、将来の不安を解消するために治療院が行うべき3つの対策を解説します。
人口の影響を受けない商圏に出店する
人口減少による影響を受けにくい商圏に出店すれば、将来的に患者さんが減るリスクを抑えることが可能です。
駅前やアクセスのよいロードサイドは、人口減少による影響を受けづらい商圏だと言えます。中長期的なスパンでの店舗移転や、人口の多いエリアへの新規出店を視野に入れて、治療院を経営しましょう。
新しい事業・サービスを開始する
新しい事業やサービスを開始すれば、これまでと異なる複数の収入源が得られるため、人口減少による不安を解消できます。
介護や福祉、スポーツトレーナーなど、治療院に近い業態の仕事ならこれまでの経験を活かして開業することが可能です。ただし、未経験の業界で新規事業を始める際は、新たな分野の専門知識を勉強する時間や資金の余裕が必要となります。
治療院で新しいサービスを提供する方法は、新規事業を始める場合と比較して低コストです。美容鍼灸などの新たな施術メニューや物販を追加すれば、治療院の売上を高められます。
リピーターを獲得できる仕組みを作る
新規の患者さんだけに頼らず、リピーターを獲得することも治療院経営のポイントです。一般的に、治療院の患者さんは1週間から3ヶ月間ほどでリピートしなくなります。
半年以上の長期で通ってもらうためには、患者さんと長期的に付き合える仕組み作りが必要です。たとえば、予防やメンテナンスなどの切り口でサービスを提供することで、リピーターを獲得できます。
患者さんが継続的に通ってくれるための仕組みを構築し、将来の問題に備えましょう。
治療院の将来に備えるなら「セルフル」「COCKPIT」
治療院の規模によっては、これまでに紹介した対策を取ることが難しいケースもあります。そのような場合は、治療院向けのサービスを活用することで、コスト削減や利益率の向上が可能です。
治療院のホームページが簡単に作れるセルフルなら、パソコンが苦手な方でもネット集客に注力できます。また、ホームページの更新や修正を自分でできるため、業者とのやり取りや追加料金の支払いが不要です。
さらに、治療院専用の顧客管理・予約システムCOCKPITなら、経営に必要な数値分析や予約管理が簡単にできます。COCKPITではWeb予約を24時間受け付けられるため、集客数の増加に有効です。
将来に備えて治療院経営をより良くしたい方は、ぜひセルフルとCOCKPITを導入してみてはいかがでしょうか。
まとめ
治療院の就業資格者数や施設数が増加する一方で、日本国内の総人口は減少傾向です。そのため、今後は患者さんの数が減り、人手も不足することが予想されます。
将来の治療院が抱える問題を解決するためには、出店地域の見直しや新しい収入源の確保、リピーター獲得の仕組みづくりなどが必要です。また、セルフルやCOCKPITなどの治療院向けサービスも、将来に向けた経営改善に役立ちます。
治療院における将来の不安を解消したい先生や経営者は、セルフルとCOCKPITの導入を検討してみてはいかがでしょうか。