鍼灸院を開業する方法|開業までの流れや必要な資金について解説
鍼灸師として活躍している人の中には、独立開業して自分の鍼灸院を持つことが目標の人も多いでしょう。独立開業に成功すれば、自分のコンセプトで鍼灸院を運営できるだけではなく、収入アップも期待できます。
しかし、独立するということは安定を手放して、すべて自分で責任を負うということでもあるため、リスクが気になって躊躇している人も多くいます。
そこで今回は、鍼灸院の開業方法や開業の流れ、開業後の経営を成功に導く集客戦略について解説します。独立開業の正しい知識を得ることで、リスクを減らし成功率を上げることに繋がるため、鍼灸院開業を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
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鍼灸院を開業するまでの流れ
鍼灸院を開業するにあたっては、国家資格である「はり師・きゅう師」の資格保有者であることが前提となります。現時点で鍼灸師として勤めている人が独立開業する場合は、保有資格の条件は既に満たせています。
資格の取得には、鍼灸師の専門学校または鍼灸学科のある大学・短大を卒業して受験資格を得た後に、国家試験に合格する必要があります。
ここでは、鍼灸資格を取得していることを前提として、鍼灸院開業までの流れを解説します。
1. 事業計画・資金計画を立てる
独立開業にあたって、まず行うことが事業計画・資金計画の作成です。
これらの計画に従って開業準備や開業後の経営を進めていくため、分からないことは調べながら、具体的かつ明確な計画を作成することが重要となります。
実際に計画を実行に移した際のビジョンを思い浮かべながら、作成することがポイントです。
2. 資金調達を行う
鍼灸院の開業には、テナントや設備を用意する資金と初期の運転資金といった開業資金が必要となります。
自己資金ですべて補うことが理想ですが、必要な資金が不足している場合は、金融機関などからの融資で資金調達を行わなければなりません。
3. 開業するテナントを探す
鍼灸院として施術を行うためのテナントを探します。鍼灸院は設備構造基準を満たしている必要があるため、該当するテナントの中から立地や賃料を考慮して候補を絞りましょう。
鍼灸院は立地によって集客力が大きく変わる業種であるため、テナント選びは開業後の経営を左右する重要なポイントです。
交通量や交通の利便性など立地条件をよく精査して、テナントを決める必要があります。
4. 鍼灸院のコンセプトを考える
開業前に鍼灸院として、どのように施術提供を行うかといったコンセプトを決めておくことが重要です。
良いコンセプトは、スタッフにも患者さんにも響きます。コンセプトを突き詰めておくことで、より良い施術を患者さんに提供できるため、満足度やリピート率を向上することが可能です。
5. 開業に必要な手続きを行う
鍼灸院の開業には、管轄の保健所へ以下の書類を提出し、開業許可を得る必要があります。
・施術所開設届出書または出張業務開始届出書 ・鍼灸業務に従事する施術者の免許証・原本と写し ・施術所の平面図 ・施術所への案内図 |
保健所に各書類を提出して、受理から10日前後で実地調査が行われます。必要書類だけではなく、施術所の検査においても抜け漏れがないように、念入りに準備しておきましょう。
6. 広告・宣伝活動を行う
新規に開業した鍼灸院には、患者さんを集める広告宣伝活動が必須です。ここで重要となる点は、「開業前にホームページやSNSといった媒体の準備を完了させておくこと」と「開業前に情報を発信すること」です。
開業してから広告宣伝活動を開始したのでは、反響を得るまでに時間がかかり集客ロスに繋がります。広告宣伝活動は、必ず開業前に済ませましょう。
開店当初に行うべき集客についての詳しい解説はこちら
7. プレオープンする
一通りの開業準備を行った後は、開業予定日の前にプレオープン期間を設けましょう。自院の特徴や施術内容を、多くの人に知ってもらう意味でプレオープンは効果的です。
無料やワンコインで体験施術を行うことで、開業後の集客に結び付けることができます。プレオープンはスムーズな鍼灸院の開業に有効な戦略となるため、ぜひ実施してください。
鍼灸院の開業に必要な資金
鍼灸院の開業にあたっては、他の業種と同じように開業資金が必要となります。
一般的な鍼灸院の開業に必要な費用の相場は300万円~600万円と言われており、事前に貯金や融資で用意しておく必要があります。
ここでは、開業に必要な費用の内訳について解説します。
・施術機器・器具
鍼灸院を運営するためには、施術に必要な鍼・灸や椅子・施術ベッド・消毒器具といった様々な器具や設備を揃える必要があります。これらをすべて揃えるための設備投資費用は、30万円~100万円程度が必要とされています。
・各種システム
鍼灸院の経営には、会計や予約をスムーズに行うためのシステムやマーケティングツールが必要となります。アナログで済ませても構いませんが、効率性を考えると鍼灸院の経営には各種のシステムは必須と言えます。
専門業者に依頼する場合は、10万円~20万円程度を見込んでおくと良いでしょう。すべて自分で設定・構築すれば、ツール・システムの代金だけで済むため、数万円程度に抑えることが可能です。
・テナント料金
鍼灸院の開業にあたりテナントを借りる場合は、立地やテナントの規模によって異なるものの、初期費用として30万円~300万円程度がかかります。最も大きな出費となるため、テナントは事前によく検討することが重要です。
・人件費
開業する鍼灸院の規模によってはスタッフを雇用する必要があるため、初期の人件費をある程度確保しておく必要があります。
施術を行う従業員を雇用する場合は、最低でも「月給×人数分×3ヶ月」程度を目安に人件費を用意しておきましょう。
・広告宣伝費(チラシ・ホームページ・口コミサイトなど)
新たに鍼灸院を開業する際に欠かせない費用が、広告宣伝費です。一定のリピート患者さんを確保できるまでは新規集客に頼るため、経営初期の広告宣伝費は多めに必要となります。
目安として、30万円~100万円程度は必要であると見込んでおきましょう。
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費用を抑えて鍼灸院を開業できる訪問施術
鍼灸師として開業するためには、必ずしも店舗を構える必要はありません。施術を必要とする患者さんのもとへ赴いて施術を行う「訪問施術専門の鍼灸師」として開業するという方法もあります。
開業するために求められる書類は、出張業務開業届と資格免許原本の写しのみで済み、物件や設備を用意する必要がありません。簡単な手続きで、開業資金とランニングコストを低く抑えられる点が、出張専門の鍼灸師として開業するメリットです。
注意点としては、屋号の使用が認められていないことや、出張業務は原則届出住所から片道16km以内に限られるなど、一定の制限が設けられている点が挙げられます。
出張施術専門で開業する場合は、メリット・デメリットを踏まえて開業後の活動プランを事前に想定しておくことが重要です。
開業後の成功は集客が鍵を握る
鍼灸院の開業後に最も重要となることが、自院の魅力を多くの人に認知してもらい、来院数を増やす集客施策です。
鍼灸院を開いただけでは、患者さんは集まりません。開業後の経営を軌道に乗せるためには、経営者としてどのような集客戦略を組み立てるかが鍵となります。
現代における鍼灸院の集客施策では、主にインターネットを活用した施策が重要と言えます。忙しい鍼灸院の先生が、施術や経営を行いながら集客施策を効果的に進めるためには、弊社のプロデュース・アクティビストのサービスを活用することがおすすめです。
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鍼灸院は広告出稿の制限が多く、効果的な集客を行うためには、他の業界とは異なる独特の訴求ノウハウが必要となります。
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まとめ
鍼灸院の開業を成功させるためには、開業の流れや事前準備について十分に理解しておくことが大切です。開業までの流れを理解せずに開業手続きを始めると、必要な準備を忘れてしまう恐れがあります。
また、開業準備と同時に開業後の経営を考えて、集客施策の準備を行うことも必要です。集客に関する準備は早期に行うほど、経営の安定に繋がります。独立開業を決意した日から、開業後の経営を見据えて準備を進めてください。
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