整骨院の開業に必要な手続きと資金|開業の流れやおすすめツールも
柔道整復師として独立し、整骨院を開業したいと考える方もいるでしょう。
整骨院の開業には行うべき手続きや準備が多いため、開業するための流れや開業に必要な資金の概要を事前に把握することが大切です。
特に、開業資金は1,000万円ほど用意する必要があるため、資金計画を綿密に練る必要があります。
この記事では、整骨院の開業方法や開業に必要な資金、準備すべき物などについて解説します。
整骨院の開業・経営にあたって導入すると良いツールも併せて確認し、整骨院の開業を成功に導きましょう。
目次[非表示]
- 1.整骨院開業の際に必要な手続き
- 1.1.施術所開設届の提出
- 1.2.受領委任契約に関する申請
- 2.整骨院開業のための資金相場
- 3.整骨院開業における6つのステップ
- 3.1.コンセプト・ターゲット層の策定
- 3.2.事業計画・資金繰り計画の考案
- 3.3.物件の選定・契約・施工
- 3.4.各種手続き
- 3.5.スタッフの採用・備品準備
- 3.6.広告宣伝
- 4.整骨院の開業・経営を支援するおすすめのツール
- 5.まとめ
整骨院開業の際に必要な手続き
整骨院を開業する際には、複数の申請・届出が必要です。
開業準備には、各種届出や手続き以外にも行うことが多いため、早い段階で申請できるように書類を準備しましょう。
■整骨院の開業に必要な2つの手続き
①施術所開設届の提出
②受領委任契約に関する申請
|
以下では、施術所開設届と受領委任契約の申請に関して、提出する書類も併せて紹介します。
施術所開設届の提出
施術所開設届とは、保健所に整骨院を開業を承認してもらうための届け出で、整骨院の開業後10日以内に保健所に提出する必要があります。
■施術所開設届の提出時に必要な書類
①施術所開設届 ②柔道整復師免許の原本・写し ③施術所の平面図 ④所在地までの案内図 ⑤定款と登記簿謄本(法人の場合) ⑥賃貸契約書の写し |
施術所開設届は、保健所で入手が可能です。
施術所の平面図は、施術室などの寸法・面積と、換気装置や器具などの位置がわかる図を用意しましょう。
賃貸物件を利用して開設する場合は、賃貸契約書の写しも必要です。
受領委任契約に関する申請
柔道整復師が行う施術の中には、健康保険が適用される施術があります。
保険請求を行うためには、複数の申請書類を管轄の地方厚生局に提出しなくてはなりません。
■受領委任契約に関する申請を行う際に必要な書類
①確約書 ②療養費の受領委任の取扱いに係る申出(施術所の申出) ③施術所開設届・変更届・出張業務の開始届の写し ④免許証の写し(勤務する施術者を含む) ⑤施術管理者選任等証明 ⑥勤務形態確認票(複数管理・複数勤務の場合) ⑦住民票(施術管理者が出張専門施術者の場合) |
受領委任契約に関する申請は、上記のように多数の書類が必要となります。
保険が適用されない場合、集客にも悪影響を及ぼす恐れがあるため、早めに書類を準備しましょう。
整骨院開業のための資金相場
一般的に、整骨院の開設準備に必要な資金は、1,000万円前後が相場であると言われています。
以下は、整骨院を創業する際に発生する費用と内訳です。
整骨院開業にかかる費用と内訳 | ||
費用の種類 |
費用の目安 |
費用の内容 |
設備費用 |
300〜400万円 |
・整骨院で使用する機器や備品の購入・リース費用 ・内装、外装などの施工費用 |
広告費用・集客費用 |
15~50万円 |
・ホームページ開設の初期費用 ・チラシ、ダイレクトメールの作成費 ・地域情報誌への広告掲載費 ・求人広告の掲載費 |
物件の取得費用 (賃貸物件を利用する場合) |
100〜150万円 |
・敷金(家賃1~3ヶ月分を目安に準備) ・礼金 ・初月の家賃 ・仲介手数料 ・清掃費用 ・火災保険料 |
ランニングコスト |
100~300万円 (約3ヶ月分を用意すると良い) |
・家賃 ・水道光熱費 ・通信費 ・人件費 ・消耗品などの購入費 |
このように、整骨院をオープンするためにはまとまった資金が必要となります。
自分で開業資金を貯めることも重要ですが、1,000万円もの必要資金を自分で準備することは簡単なことではありません。
自己資金だけでなく親族の援助、日本政策金融公庫や銀行・信用金庫などからの融資、補助金・助成金など、様々な方法で資金調達を行うと良いでしょう。
整骨院開業における6つのステップ
整骨院を開業するためには、国家資格である「柔道整復師」を取得した上で、最大3年の実務経験と、2日間にわたる施術管理者研修の受講が必要となります。
これらの条件をクリアした上で、整骨院の開業準備を進める必要があるため、開業には6ヶ月~1年程度かかることが一般的です。
整骨院を開業するまでの流れや注意点を確認し、開業準備をスムーズに進めましょう。
コンセプト・ターゲット層の策定
整骨院を開業する際には、整骨院のコンセプトやターゲット層を設計することが大切です。
自分が得意な施術内容・スキルに応じて、「どのような悩みを持つ方に来院してほしいか」「他の整骨院と差別化できるポイントはどこか」などを具体的に考えましょう。
整骨院のコンセプトやターゲット層は、物件選びや施術メニューなどにも影響します。
整骨院のイメージ・ターゲット層を固めて、その軸がブレないように注意しながら、開業準備を進めましょう。
事業計画・資金繰り計画の考案
整骨院の開業において、事業計画や資金計画を綿密に立てることも重要です。
整骨院を運営する上での目標・経営理念・目標を達成するための具体的な行動を明確にしましょう。
事業計画書や資金計画書は融資の際にも必要となるため、パソコンを用いて綺麗に作成することをおすすめします。
また、事業計画や資金繰り計画を立てる際には、設備費・人件費・家賃などの細かい分類に分けて計算することが大切です。
ただし、正確なランニングコストは営業を始めないと分からないため、計画段階ではやや多めに見積もると良いでしょう。
物件の選定・契約・施工
整骨院の開業を成功させるためには、物件選びも重要なポイントとなります。
物件周辺地域の環境や、周辺住民の層・競合他院を含む周辺施設などを事前に調査することが大切です。
その上で、整骨院のコンセプトやターゲット層に合った立地や物件を選びましょう。
整骨院を開業する物件を決めたら、実際に契約を行い、外装や内装の工事を進めます。
自院のコンセプトやターゲット層に合ったレイアウトにするために、工事事業者と綿密に打ち合わせを行いましょう。
開業予定日から工事に必要な期間を逆算し、施工の手配を早めに行うことで、施工遅れなどによるトラブルを防ぐことができます。
各種手続き
整骨院を開業する物件が決まったら、「施術所開設届」「受領委任の取り扱いに関する申請」の手続きを進めましょう。
必要書類を用意し、管轄の保健所・地方厚生局で申請手続きをしてください。
また、以下の申請も必要に応じて行いましょう。
■整骨院開業に関連する各種申請
・共済番号取得の申請 ・労災保険指定医療機関になるための手続き ・開業届、青色申告承認申請書の届出 |
公務員が対象となる共済組合の保険を取り扱う場合は共済番号の取得が、労災保険を取り扱う場合は労災保険に関する手続きが必要です。
開業届や青色申告承認申請書は税務署に提出し、確定申告を毎年行わなくてはなりません。
スタッフの採用・備品準備
求人サイトや地域情報誌の求人欄を活用して、早い段階からスタッフの募集を行いましょう。
また、接客マニュアルや研修の準備を進めることも大切です。
備品に関しては、施術に使用する各種機器・ベッド・タオルなどを用意します。
他の整骨院の備品状況なども参考にしつつ、他院と差別化できる機器などを用意することで、集客効果が生まれるでしょう。
広告宣伝
整骨院を開業するエリアに住む方・働く方へ向けて、整骨院を認知してもらうための広告宣伝を行うことも重要です。
ホームページの開設・チラシや看板などの宣伝広告媒体の作成・SNSのアカウント開設など、地域性や想定する利用者に合った集客を行いましょう。
特に、近年はインターネットで整骨院を検索する方が増えているため、ホームページを開設し、Web上で予約できるように整備することが大切です。
集客のためにまずやるべきことについて詳しく解説しました→こちらから
整骨院の開業・経営を支援するおすすめのツール
整骨院の経営者は、開業準備だけでなく、開業後も施術や経営で忙しい日々を送ることになります。
業務効率化を図るためにも、整骨院の開業・経営の成功をサポートするツールを導入すると良いでしょう。
ここでは、おすすめの経営サポートツールを2つ紹介します。
〇セルフル
「セルフル」は初心者でも簡単にホームページを作成できる治療院専門のホームページ作成ツールです。
見た目が非常に綺麗なサイトを作れるだけでなく、SEO対策も内蔵しているため、検索需要にも応えることができます。
セルフル導入者には、ネット集客のノウハウを学ぶ無料セミナーや、ホームページの添削・最新機能への無料自動アップデートが付帯する点も魅力の一つです。
【参考】セルフルの詳しく説明はこちらから↓
〇COCKPIT
「COCKPIT」は、顧客管理・予約管理が可能となる治療院専門の経営支援ツールです。
24時間受付のWeb予約・顧客へのリマインドメールなどの集客はもちろん、リピート率などの各種データも簡単に把握できます。
【参考】COCKPITの便利な機能の説明はこちら↓
ぜひセルフルやCOCKPITを導入し、利用者が見やすいホームページや、Web予約システムを整えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
整骨院を開業するためには、施術所開設届の提出と、受領委任契約に関する申請が必要です。
様々な申請以外にも、事業計画・資金調達計画の立案から、物件選び・スタッフや備品の手配まで、準備することが多数あります。
開業予定日から逆算し、余裕を持って開業準備ができるようにしましょう。
整骨院のオーナーは、開業準備中だけでなく開業後も忙しいため、業務をサポートしてくれるツールを活用することがおすすめです。
集客力を高めるホームページ作成ツール「セルフル」や、顧客管理・予約管理ツール「COCKPIT」を利用し、整骨院の開業を成功させましょう。