整骨院開業時に利用できる補助金4つ|要件・申請方法・活用例も
整骨院の開業にはまとまった資金が必要となるため、補助金制度の活用がおすすめです。整骨院開業時に利用できる補助金制度は、「地域創造的起業補助金」など複数あるため、まずは各制度の種類と内容ついてチェックしましょう。
本記事では、整骨院開業時に利用できる補助金制度の「申請要件」「申請方法」や、整骨院における補助金の活用例を解説します。開業資金の負担を軽減したいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.整骨院開業時に利用可能な補助金4つ
- 1.1.地域創造的起業補助金
- 1.2.小規模事業者持続化補助金
- 1.3.IT導入補助金
- 1.4.ものづくり補助金
- 2.整骨院における補助金の活用例
- 3.まとめ
整骨院開業時に利用可能な補助金4つ
整骨院の開業準備にかかる費用相場は、約1,000万円といわれています。
整骨院開業時にかかる主な費用は、以下の通りです。
主な費用項目 |
費用相場 |
不動産契約料 |
約150万~200万円 |
設備費・内装費・備品購入費 |
約450万~800万円 |
広告宣伝費 |
約10万~30万円 |
また、開業時にかかる初期費用とは別に、開業後の経営資金も準備する必要があります。整骨院の開業資金と当面のランニングコストを補填するために、整骨院経営者が利用できる補助金制度を確認しましょう。
ここでは、整骨院開業時に利用できる補助金制度の目的と交付要綱、申請時の注意点について解説します。
地域創造的起業補助金
地域創造的起業補助金とは、「新たな雇用を作り出し日本経済を活性化させる」という目的のもと、実施されている補助金制度です。開業にかかる費用の一部を補助してもらうことができます。
下記は、地域創造的起業補助金の交付要綱です。
対象者 |
・従業員採用予定(1名以上)がある新規事業者 |
補助金額 |
・補助対象となる費用の2分の1以内 外部資金調達なし:50万~100万円以内 外部資金調達あり:50万~200万円以内 |
申請方法 |
1.認定市区町村の当該窓口に申請書類を提出 2.資格審査に合格後、書面審査を実施 3.書面で可否を通知 4.報告書や証拠書類(領収書、請求書など)を提出し、不備がなければ数カ月後に補助金交付 |
(出典:地域創造的起業補助金事務局/http://www.cs-kigyou.jp/)
地域創造的起業補助金は、申請対象エリアが定められています。そのため、開業予定エリアが認定市区町村に該当しているかを、事前に確かめましょう。開業する場所が決まっていない場合は、補助金申請書の提出ができません。
また補助金交付後5年間は、事業状況の報告が必須です。一定以上の収益となった場合は、法律に基づいて一部収益を納付する必要があります。
なお、令和元年度・2年度における地域創造的起業補助金の募集はなく、令和3年度以降の募集に関しては、令和3年2月時点でまだ情報が公開されていません。そのため、定期的に地域創造的起業補助金事務局の公式サイトで確認するとよいでしょう。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、販路開拓・拡大にかかる費用を一部補助する補助金制度です。「一般型」と「コロナ型」があり、どちらも地域雇用の向上と小規模事業者の持続的な発展支援を主な目的としています。
下記は、小規模事業者持続化補助金の交付要綱です。
対象者 |
・商工会議所の管轄地域において事業を営む小規模事業者 ・具体的な対策に取り組む小規模事業者 |
補助金額 |
<一般型> ・補助対象費用の3分の2 ・上限150万円 <コロナ型> ・補助対象費用の3分の2または4分の3 ・上限100万円(事業再開枠:上限150万円、特例事業者:上限200万円) |
申請方法 |
1.日本商工会議所へ必要書類を提出 2.審査を実施、可否の決定 3.交付決定の場合は販路開拓の取り組みを実施 4.実績報告書などを提出 5.提出書類を確認し不備がなければ補助金請求後に補助金交付 |
(出典:令和2年度補正予算 日本商工会議所 小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>/https://r2corona.jizokukahojokin.info/corona/)
「必要書類の作成」「交付決定後の販路開拓の取り組み」に関しては、商工会議所の指導や助言を受けられます。担当者に相談しながら取り組むべき対策をじっくり検討しましょう。
なお、コロナ型の申請は、補助対象費用の6分の1以上が以下に該当していることが条件となります。
・サプライチェーンの毀損への対応 ・非対面型ビジネスモデルへの転換 ・テレワーク環境の整備 |
また小規模事業者持続化補助金は、令和3年2月時点で公募が終了しています。しかし、令和2年12月15日に閣議決定された令和2年度第3次補正予算案では、令和3年度も実施予定とされているため、定期的に情報を確認するとよいでしょう。
IT導入補助金
IT導入補助金とは、生産性向上に役立つITツールの導入支援を目的とした補助金制度です。IT導入補助金には、従来からある「通常型」と、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策を行う事業者向けの「特別枠」があります。
ITツール導入のメリットは、以下の通りです。
・社内の情報共有が円滑となる ・経理や会計の手間が省ける ・ルーティンワークを自動化できる ・患者のデータ管理やマーケティングを効率化できる |
下記は、IT導入補助金における通常型の交付要綱です。
対象者 |
中小企業者または小規模事業者 |
補助金額 |
・補助対象費用の2分の1 ・上限450万円 |
申請方法 |
1.導入したITツールの選択、「gBizID」アカウントの作成 2.事務局へ交付申請書を提出 3.補助金交付決定を通知 4.ITツールの発注と支払いを実施 5.事業実施報告を提出後、補助金交付 |
(出典:IT導入補助金2020 令和元年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業/https://www.it-hojo.jp/)
IT導入補助金の申請は、申請者と事前登録を済ませたIT導入支援事業者が一緒に行います。IT導入補助金事務局で登録されていないITツールは、補助金交付の対象外となるため注意してください。また、IT導入補助金事務局から交付決定通知が届く前に、ITツールの発注や契約を行った場合も、補助金を受け取ることができません。
なおIT導入補助金は、小規模事業者持続化補助金と同様に、令和3年度も実施予定とされています。新型コロナウイルス感染症対策のための「非対面化・非接触型ツール」の導入支援を行う「新特別枠類型」が設立される予定です。
ものづくり補助金
ものづくり補助金とは、働き方改革・賃上げ・保険適用拡大などの制度変更に各事業所が対応できるよう、設備投資などの支援を行う制度です。一般型・グローバル展開型・ビジネスモデル構築型など、複数の応募形式があります。
「ものづくり補助金」という名称のイメージから製造業のみが対象だと思う人も少なくありませんが、実際は整骨院などのサービス業も対象となります。
下記は、ものづくり補助金における一般型の交付要綱です。
対象者 |
要件を満たす中小企業・小規模事業者または個人事業主 |
補助金額 |
上限1,000万円 中小企業:補助対象費用の2分の1 小規模事業者・個人事業主:補助対象費用の3分の2 |
申請方法 |
1.「gBizID」アカウントの取得 2.操作マニュアルに沿って必要事項を入力し応募 3.審査後、採択された事業者を発表 4.採択された事業者による交付申請 5.事務局が交付を決定 6.補助事業期間を経て請求・補助金交付 |
(出典:ものづくり補助事業公式ホームページ/https://portal.monodukuri-hojo.jp/)
一般的に、ものづくり補助金における個人事業主の採択件数は少ないといわれています。個人事業主が補助金交付を受けるためには、ほかの整骨院が行っていない革新的なサービスや仕組みの提示が必須です。
ものづくり補助金は、令和2年度第3次補正予算案に予算枠が計上されているため、令和3年度も実施予定とされています。
整骨院における補助金の活用例
交付された補助金は、補助金制度で定められた条件に沿って利用しなければなりません。
以下は、整骨院における補助金の主な活用例です。
・店舗改装費 ・広告宣伝費 ・ホームページ制作費 ・専用設備導入費(POSレジなど) ・ITツール導入費 ・感染症対策費 |
店舗改装やITツールの導入など、なかなか着手できずにいたことも、補助金を活用すれば費用の負担を軽減しつつ取り組めます。
補助金を有効的に使いたい場合は、集患を強化するために、インターネットを利用した「広告宣伝」に力を入れることがおすすめです。
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まとめ
整骨院開業時に利用できる補助制度は、主に「地域創造的起業補助金」「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」「ものづくり補助金」の4種類です。
それぞれ補助対象者や補助金額が異なるため、申請方法や注意事項を確かめて自分に合った補助制度を利用する必要があります。また各補助金の公式サイトでは、応募要項が随時発表されるため、定期的に確認するとよいでしょう。
また、補助金を活用してWebマーケティングに力を入れたい場合は、治療院専門のホームページ作成ツール「セルフル」をぜひご検討ください。