【整骨院】領収書の作成方法|交付しなければならない理由も解説
整骨院の経営において多くの人が疑問を感じている点が、領収書の作成や交付に関することです。「整骨院は領収書を交付する必要があるのか」「どのような領収書を作成すればよいのか」といった、領収書に関する疑問を解消したい人は、少なくありません。
そこで今回は、整骨院が領収書を交付する必要性から、領収書の具体的な作成方法、領収書交付に関するQ&Aまでを解説します。領収書に関する正しい知識を得て、健全な整骨院経営に役立てたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.整骨院は領収書交付が義務化されている
- 2.整骨院が交付する領収書の作成方法
- 2.1.領収書の様式
- 3.整骨院の領収書交付に関するQ&A
- 3.1.再発行を求められた場合の対処法は?
- 3.2.明細書の交付を求められた場合の対処法は?
- 3.3.キャッシュレス決済への対処法は?
- 4.整骨院の適切な顧客管理には「COCKPIT」
- 5.まとめ
整骨院は領収書交付が義務化されている
整骨院で患者さんに施術を提供して代金を頂いた場合は、必ず領収書を交付しなければなりません。
整骨院での施術で領収書交付が必要である理由は、2010年9月以降より領収書の交付が厚生労働省により義務化されたためです。
(出典:厚生労働省「柔道整復師の施術に係る療養費について(通知)」/https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/01h.pdf)
また、領収書に記載する項目についても一定のルールが定められています。領収書には単に日付・金額・施設名などを記載するだけではなく、保険施術・自費施術を区別して、金額の内訳を明確に記載する必要があります。
領収書の交付については、無償で行わなければならず、事務手数料などを加算することは法令違反となるため注意しましょう。
このように整骨院を経営する上では、領収書の交付が必要となります。健全な経営を行うために、基準を満たした正しい領収書を交付できる体制を整えることが、現在の整骨院には求められています。
整骨院が交付する領収書の作成方法
ここでは、整骨院が交付する領収書の具体的な作成方法について、順番に解説します。
(1)保険施術の金額を算出する 患者さんに提供した保険施術に関して、療養費算定基準に従って合計金額を算出します。算定基準については、厚生労働省のホームページで確認することができます。 (2)患者さんの一部負担金を算出する 保険施術の合計金額に対して、一部負担割合(自己負担割合)を掛けて患者さんの一部負担金(自己負担金)を算出します。一部負担金は保険請求を正しく行うために、厚生労働省が定めた金額以上を必ず徴収する必要があります。 (3)自費施術(保険外施術)の合計金額を算出する 自費施術を行った場合は、合計金額を算出します。 (4)自費施術と保険施術を合算して合計金額を算出する 自費施術と保険施術の両方を行った場合は、保険施術と自費施術の合計金額を算出します。 (5)日付と患者さんの氏名を記入する 金額欄の作成が完了した後は、最後に日付と患者さんの氏名を記入することで、領収書の作成は完了です。 |
領収書の作成にあたっては、「患者さんの来院時に都度交付しなければならない」点に注意が必要です。1ヶ月分をまとめて渡したり、交付を失念したりしないようにしましょう。
領収書の様式
整骨院の領収書は、必要な項目を網羅した様式を使用する必要があります。整骨院で交付するべき領収書の標準的な記載項目は、下記の通りです。
■整骨院の領収書の標準様式の項目 |
・患者氏名 ・保険施術の内訳 ・保険施術の合計 ・保険外施術の内訳 ・保険外施術の合計 ・保険施術と保険外施術の合計 ・領収した日付 ・施術所名 ・施術所の住所 ・施術所の電話番号 ・施術所管理者の氏名 ・施術所管理者の印鑑 |
整骨院における領収書作成にあたっては、上記の項目を漏れなく記載したテンプレートを作成しておけば、実務上は問題ないといえるでしょう。
また、近年では整骨院においてもレシートタイプの領収書を発行している施設が多く見られます。レシートタイプの領収書を採用する場合も同様に、上記の項目を網羅した領収書を作成するようにしましょう。
整骨院の領収書交付に関するQ&A
整骨院の領収書交付が義務付けられていることがわかっていても、領収書交付に関してさまざまな疑問を抱えている人もいるでしょう。
ここでは、整骨院経営者が領収書交付の際によく抱える疑問について、Q&A形式で解説します。疑問点を解消して、領収書の交付をスムーズに行いたい人は、ぜひ参考にしてください。
再発行を求められた場合の対処法は?
整骨院において、紛失など患者さん側の理由で一度発行した領収書の再発行を求められることがよくあります。しかし、基本的には領収書の再発行は不可能です。
領収書は、支払いを受け取ったことを証明する書類です。水増し請求や二重計上に利用される恐れがあることから、原則として領収書の再発行を行うことはできません。もし領収書の再発行を行ってしまうと、整骨院側が二重に支払いを受けたこととなります。領収書の紛失が事実であったとしても、再発行は厳禁です。
患者さんから領収書の再発行を求められた場合は、領収書の代わりに「領収証明書」を発行しましょう。領収証明書とは、領収書と同様の日時・支払い金額・内訳などが記載された書類のことで、領収書の代替となります。
不要な疑いを持たれないために、領収書の再発行は行わないようにしましょう。
明細書の交付を求められた場合の対処法は?
整骨院で領収書を交付する際に、併せて領収書の明細書を求められる場合があります。明細書とは、診療・施術内容の算定項目を明記した書類のことです。
患者さんから明細書の交付を求められた場合は、領収書と同じく交付する義務があります。いつでも対応できるように明細書を交付できる仕組みを整えておきましょう。
また、明細書の交付時には、証明書料として別途費用を徴収することができます。ただし、証明書料は明細書の交付を阻害するような高額な金額を設定してはなりません。証明書料を徴収する場合は、社会的に妥当な範囲内の金額に設定しましょう。
キャッシュレス決済への対処法は?
近年では、整骨院においてもキャッシュレス決済に対応している施設が多く見られるようになりました。キャッシュレス決済とは、クレジットカードや電子マネーなどの現金と同じ価値を持つデータを用いた決済のことです。
原則としてキャッシュレス決済は現金と同じ扱いとなるため、現金支払い時と同様に領収書の交付義務があります。
キャッシュレス決済においても、アプリ内の支払い履歴で支払い金額を確認できますが、内訳を把握することはできません。そのため、保険診療の一部負担金と自費診療が明確に把握できるような領収書を、整骨院側が発行する必要があります。
キャッシュレス決済は領収書が不要であるイメージを持っている人が多いため、特に注意しましょう。
整骨院の適切な顧客管理には「COCKPIT」
整骨院の経営においては、保険診療・自費診療といった診療内容によらず、スムーズで適切な顧客管理が必須です。また、顧客管理が適切に行われていないと、領収書交付やカルテ作成・管理が正しく行われず、後々患者さんや保険者との間でトラブルが発生する恐れがあります。
顧客管理の効率化を推進するためには、プロデュース・アクティビストが提供する顧客管理・予約システムの「COCKPIT」を利用することがおすすめです。「COCKPIT」は、整骨院に特化したシステムで非常に扱いやすく、顧客管理の効率化を実現できます。
整骨院のバックエンドを改善して経営力の底上げを実現したい人は、ぜひ「COCKPIT」の利用を検討してください。
まとめ
領収書は現金を受け取ったことを証明する書類であるため、整骨院においては交付を行う義務があります。法令を遵守して不要な疑いを持たれないためにも、整骨院の経営においては領収書をスムーズに交付できる体制を、しっかり整えておくことが重要です。
領収書の交付の際には、明細書の交付を求められたり再発行を求められたりする場合がありますが、適切に対応できるように体制を整えておきましょう。
患者さんや保険者とのお金に関するトラブルの発生は、整骨院の経営においては重大なリスクです。整骨院を安定的に成長させて売上を増やすためにも、ぜひ正しい領収書交付の知識を身に付けてください。