整骨院の価格設定戦略|黒字化するためにはどうすべき?
今日は、繁盛院の先生だったら誰もがやっている「整骨院の価格戦略・価格設定」について、お話をしていきたいと思います。
ポイントは、たったの1つしかありません。「自分が今、どのような時期なのか」をしっかり理解したうえで、時期に適した価格戦略をとることが重要です。経営において欠かせないポイントなので、利益や売上に悩んでいる整骨院の先生は、ぜひ参考にしてみてください。
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オープン当初は人を集める時期
オープン当初は、当然ながら誰でもゼロからのスタートです。もちろん、プレオープンを実施し、大量に人を集めることもやることでしょう。しかしそのあとは、着実に集客していかなくてはいけませんよね?
そのため、最初の1~2年は「とにかく人を集めることが目的」になります。つまり、最も人が集まりやすい価格にしなくではいけないということです。最初から質の良い患者さんだけを集めようとしたり、利益率を一気に高めてはいけません。
まずは目的を1つに絞り、集客に特化しましょう。周りのライバルの整骨院と比べたときに、比較的安めの価格で人を多く集め、地域の認知を取ることを優先してください。
黒字化の時期は定着してもらうことを目指す
開業時の借金などを返済し終わり、「いよいよここから、利益を出していくぞ!」と黒字化した時期になったら、「定着してもらう」ことが重要です。
この段階まで来たということは、新規の患者さんは自然に来るといった状態になっているはずです。ただそれが定着しなかったら、繁盛院にはなりません。
なのでこの時期に見なくてはいけないのが、「リピート率」と「継続率」の2つです。
<黒字化の時期の指標>
- リピート率‥2回目80%以上、5回目50%以上
- 継続率‥70%以上
リピート率は2回目で80%以上
まずリピート率から順に説明すると、
「2回目の来院では、80%以上の人がリピートする」
「5回以上来てくれる人は、新規患者さんの50%以上になっている」
この状態を目指します。
ただ人が定着するという意味は、リピートするとイコールではありません。「定着する=常連になる」が正解で、症状が改善したあとも継続的に通ってくれる人がどれだけいるかが重要になってきます。
継続率は最低でも70%以上
常連さんがどれくらいいるかを計測するのが、継続率です。
先月から今月に対しての継続率が
「最低でも70%以上ある状態」
※10人患者さんか来るとしたら、来月も7人は来てくれる
この状態がギリギリともいえる、黒字化の最低ラインです。もちろん、目指すべきは8割~9割ですが、継続率が7割以上ある状態であれば、自ずと黒字化は達成できているはずです。
ではこのときの適正価格は、一体いくらなのか?この時期は人を集めるための価格より、「多少値上げ」をしましょう。ただし高単価ではなく、周りと一緒ぐらい、もしくは少し上ぐらいを狙って価格設定するのがポイントです。
収益期は単価を上げる時期
最後、収益期についてです。この時期は黒字が出るようになり、定着する常連患者さんたちも増えています。
ファンになって定着した患者さんから、ここに来てやっと「より多く利益をいただきましょう」となるわけです。その際に注意してほしいのが、既存の商品のまま値上げしてはいけません。単価を上げるということは、価値を増やすこと。
つまり、自分たちのメニューを進化させたり、増やしたりしながら、単価を上げて収益を得ていくようにしましょう。
単価を決めるときは、分単価で考えよう
収益期に最も大事なのが、単価です。そのため、「分単価(1分あたりの金額)がいくらなのか?」という部分を見ていきましょう。
分かりやすく、分単価の目安を時系列でご紹介します。以下を目安にメニューを考えると良いでしょう。
<時期ごとの分単価の目安>
- 人を集める時期‥分単価→約100~150円
- 黒字化で定着する時期‥分単価→約150~200円
- 収益を上げる時期‥分単価→約200円~
このような調整をやる必要があり、価格戦略がいかに重要かわかります。有名な経営者の「値付けは経営である」という言葉通り、値段の操作・調整次第で人が集まる院を作ることもでき、利益が出る院を作ることもできるわけです。
価格設定でやってはいけないこと
価格設定をするうえでやっていけないのが、人集めが重要なオープン当初にも関わらず、収益期の単価でやることです。逆もしかりで収益を上げるべき時期なのに、人集めの時期の単価でやってしまえば、失敗して当然といえます。
価格というのは、とてもデリケートな部分です。値段の上げ下げは、慎重に行いましょう。
時期に合わせた正しい価格戦略を練ろう!
整骨院の経営には、正しい価格戦略があります。
- 今自分はどんな時期なのか?
- 何を大切にしなくちゃいけないのか?
人集めが優先か、定着してもらうことを目的にするのか、はたまた単価を上げることを重視するすべきか。自分が今、どの時期なのかをしっかり理解したうえで、価格について考えていくようにしましょう。