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整骨院・整体院のメニューを増やすのはアリ?ナシ?
整骨院や整体院を経営していると、「新しいメニューを取り入れるべきか?」と悩むことがあるかもしれません。とくに、知り合いの先生から「このメニューを導入したら売上が上がった!」という話を聞くと、つい興味が湧いてしまうものです。
しかし、単に流行や他院の成功事例だけを見て導入を決めてしまうと、思わぬ失敗を招くこともあります。
今回は、通常のメニューに加えて新たなメニューを導入するかどうかについて、考えるべきポイントを整理していきます。新メニューを導入する際に大切なのは、自院の「経営のステージ」をしっかり把握することです。
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オープン時期・成長期にメニューを増やすのはNG
開業直後や成長期には、新たなメニューを増やすべきではありません。
開業したての時期というのは、各メニューのリピート率を上げるためのトークや、施術の熟練度を上げていかないといけない時期です。できるだけメニューの数は絞り、それを徹底的に伸ばした方が成功しやすくなります。
成長期も同様です。開業初期を乗り越え、黒字化したら、次の段階は売上をさらに伸ばす段階に入りますが、この時期にメニューを増やすと力とお金が分散してしまいます。
例えば、新しくダイエットメニューを導入したとしましょう。そうすると、新しいメニューで集客するために広告費を割いたり、新たな技術の習得や説明のトークに時間を使わなくてはなりませんよね。
そうなると、今まで積み上げてきた集客や施術クオリティが低下するリスクが高まります。成長期は繰り返して規模を大きくしていくステージなので、新メニューの導入よりも、既存のメニューの質を上げ、広告を1つに集中させる方が効果的です。
売上が安定したら新メニューの導入を検討してもOK
開業期や成長期にはメニューを増やさず、既存の施術に集中するのが重要ですが、ある程度の売上・利益が確保できるようになったら、次のステップとして「継続率の向上」や「LTV(顧客生涯価値)の向上」を目的とした新メニューを導入するのはありです。
この段階まで来ていれば、単に新規患者を増やすだけでなく、既存の患者さんに対してさらなる価値を提供し、リピート率やLTVを向上させる戦略を取ることが可能になります。
新規事業ではなく、既存のビジネスモデルに合うかを考える
新メニューを導入する際に注意したいのが、単に「売上が伸びそうだから」「知り合いの先生に勧められたから」といった理由で導入してしまうと、かえって院のブランドや信頼を損なう恐れがあります。
例えば、整体院で「骨盤の歪みを整えることで痛みを改善する」と言っている先生が、突然「ダイエットメニューを始めました」と言い出したらどうでしょうか?
患者さんからすると、「先生、急に何を始めたの?」と違和感を抱くかもしれません。
大事なのは、新メニューが「院の理念やコンセプトと合致し、自然に提案できるどうか」です。仮に、症状が改善した人向けのメニューを用意した際に、「確かに先生の考え方なら、これは納得できる」と患者さんが思えるものなら、新メニューの導入も成功しやすくなるでしょう。
新メニューの「分単価」も要チェック
新しいメニューを導入する際は、必ず「分単価(1分あたりの売上)が上がるかどうか」を確認してください。新しい施術を追加することで手間や時間が増えるのに、結果として売上や利益が増えなければやる意味がありません。
例えば、現在30分で5,000円の施術を提供している場合、1時間あたりの売上は1万円です。ここに新たにメニューを導入したとして、1時間の施術で1万円以上の売上を確保できるか? を考える必要があります。
分単価が上がる → OK
分単価が下がる・変わらない → NG
新メニューを追加することで施術時間が増えるのに、それに見合った対価を得られないなら、単純に労力が増えるだけになってしまいます。そのため、新たなメニューが現在の施術よりも高い単価を確保できるかどうかをチェックしましょう。
新メニューの導入は「既存の流れ」に組み込めるかが鍵
もし、 新しいメニューを始めるために、まったく別のターゲット層に向けて広告をかけなければならない場合、それは新規事業と同じです。新規事業の成功確率は約10%程度と言われており、ほとんどが失敗するリスクを抱えています。
新しいメニューを検討する際は、「既存のビジネスモデルの流れの中に組み込めるか?」を基準に判断しましょう。
- 既存の患者さんに自然に提案できるメニューか?
- 施術後の継続メニューとして売れるか?
この基準で判断することで、無駄なリスクを避けつつ、成功しやすいメニューを選ぶことができます。新メニューの導入で失敗しないために、ぜひ慎重に検討してください。
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