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1人整体院が繁盛後に失敗して廃業する典型パターンとは?
一人で整体院を経営する先生が失敗するパターンは、実はある程度決まっています。順調に繁盛したにもかかわらず、その後失敗して廃業してしまうケースは少なくありません。
私自身、15年以上この業界を見てきたなかで、多くの先生が同じような道を辿ってしまうのを目の当たりにしてきました。しかし、事前に失敗パターンを知っていれば、同じ過ちを避けることができます。
今回は、1人整体院の先生が陥りがちな失敗の流れを解説し、廃業を防ぐためのポイントをお伝えします。ぜひ、最後までご覧ください。
目次[非表示]
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1人整体院が成功するまでのステップ
ほとんどの1人整体院の先生は、共通したパターンで成功へと進んでいきます。
▼繁盛院になるまでの典型的なステップ
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マーケティングを学び集客できるようになる
多くの先生は、まずマーケティングを学ぶことからスタートします。効果的な広告やSNS運用、SEO対策などを活用することで少しずつ集客できるようになり、売上も伸び始めていきます。
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リピート率が安定し、売上が増える
集客ができるようになってくると、コミュニケーションスキルが身につき、リピートが取れるようになります。この段階で、徐々に「繁盛院」と呼ばれる状態になっていきます。
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時短と値上げを繰り返し、売上が増える
予約が埋まるようになってくると、まず始めに時短を行い、これ以上の時短は難しいとなった段階で値上げを行います。
(例)
①施術時間を60分→45分→30分と徐々に短縮し、1日に施術できる人数を増やす
②施術料金を5,000円→5,500円→6,000円と少しずつ値上げする
最初は値上げに不安を感じる先生も多いですが、一度成功すると「意外と大丈夫だ」と気づき、さらに価格を調整していきます。結果として、売上は100万円→120万円→150万円…と増えていき、1人整体院でも200万程度までは十分に到達可能です。
売上150万〜200万で増えてくる誘惑
売上が150万〜200万円ほどになると、技術も向上し、人脈も広がり、経営も安定してきます。このタイミングで、さまざまな誘惑が増えてくるのが特徴です。
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コンサルや講師業の誘い
「先生の集客ノウハウを教えてほしい」「うちで講師をやりませんか?」といった依頼が増えます。また、自分自身がコンサルを受けていた場合、「自分もできるのでは?」とコンサルタント業に興味を持ち始めることもあります。
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新規事業や投資の勧誘
「フランチャイズをやりませんか?」「新しい整体院を出資しませんか?」といった事業の誘いが増えたり、MLM(マルチ商法)や投資話が持ちかけられることもあります。整体院以外のビジネスに目が向くタイミングです。
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お金を使う楽しみが増える
売上が安定し、多少の余裕が生まれると、趣味や遊びにお金を使う機会が増えます。お酒・異性・車・ギャンブル・ファッション・旅行など、さまざまな誘惑が出てくるでしょう。
もっと稼ぎたいという欲求が生まれる
さらに、この時期に「もっとすごい人」を見る機会が増えます。
- コンサル業で大成功している先生
- 店舗経営+別事業で大きく稼いでいる人
- 異業種で効率よく収益を上げている人
こうした成功者を見ると、「もっと稼ぎたい」「自動で収益を得たい」と考えるようになり、売上アップを目指し始めます。
そして、この段階に来た整体院の先生が取る道は、大きく次の3つに分かれます。
失敗パターン1.別事業を始める
先ほど先述した誘惑が増えてくると、他の成功者に影響され、整体院とは別の新規事業を始める先生も少なくありません。本業と並行して別事業に取り組み、収益の多角化を狙うパターンです。
新しい事業は刺激があり楽しく、整体院の経営に慣れてくると「こっちの方が面白い」と感じることもあります。しかし、その結果として本業への集中力が低下し、業績が徐々に落ちてしまうことも。
さらに、「本業が少し落ちても新規事業でカバーできる」と考えて別事業に注力しすぎると、どちらもうまくいかず、最終的には両方が崩れてしまうケースも少なくありません。これが、1つ目の失敗パターンです。
失敗パターン2.規模を大きくする
次のパターンは、整体院の規模を拡大し、会社として成長させようとする道です。売上が150万〜250万ほどになると、多くの先生が法人化し、スタッフを採用して店舗展開を考え始めます。
このとき、「スタッフを増やせば、自分は現場を離れて楽になる」「売上もさらに伸びる」と思い、採用や教育を進める方がいます。しかし、ここでさまざまな壁に直面します。
- スタッフの採用・教育の難しさ
- 店舗経営のノウハウ不足
- 幹部やスタッフの離職
例えこれらを頑張って乗り越えても、3店舗ほどの規模では、スタッフ1人ひとりの重要度が高いため、院長クラスが辞めると経営が一気に傾いてしまいます。その結果、3店舗 → 2店舗 → 1店舗と縮小し、最終的に失敗してしまうケースも少なくありません。
成功するには、短期間で一気に5〜10店舗まで拡大し、常に院長候補を育てられる体制を作るか、逆に「1人経営」のままで安定させるかのどちらかがベストです。
店舗展開を中途半端に進めると、利益率の低下や組織運営の難しさに直面し、結局失敗してしまうリスクが高くなるので注意してください。
失敗パターン3.値上げをする
最後のパターンは、1人治療院のまま、施術単価を上げて売上を増やす道です。
「スタッフは雇いたくないし、新規事業もやりたくない。でも、300万・400万・500万と売上を伸ばしたい」と考えたとき、多くの先生が最終的に行きつくのが値上げです。
例えば、6,000円〜7,000円の施術を1万円、1万5000円、2万円と段階的に引き上げれば、売上も理論上は倍になります。しかし、単純に計算通りにはいかないのが現実です。
自分勝手なオペレーションを優先した値上げは、以下のような問題が起こります。
- 集客コスト(CPA)が上がる
1人当たりの獲得コストが上昇し、広告費が増加する- リピート率の低下
既存患者・新規患者のリピート率が下がる- 患者の期待値が上がる
価格に見合った技術・接客・院内環境が求められる
これらをもちろんクリアできたら上手くいきますが、売上が150万~200万ほどになってくると、「もっと楽に売上を上げたい」と考えがちになります。値上げ自体も、その発想の延長線上にあることが多いです。
そして、さらに効率よく集客しようと、新しいノウハウを求めてセミナーに行ったり、教材を購入したりするようになります。しかし、この「楽をしたい」という気持ちのまま新しいノウハウを学んでも、思うような結果は出ません。
どんな集客ノウハウであれ、試行錯誤や地道な努力は不可欠です。
最終的に、「やっぱり値段を下げるしかないか…」と値下げを考え始めますが、すでに高単価の施術で定着しているため、簡単に価格を戻すこともできず、行き詰まってしまうのです。
成功の裏には必ず努力がある
1人整体院の先生が繁盛し、さらに上を目指そうとした結果、失敗してしまうケースをこの業界で15年以上見てきました。もちろん、新規事業で成功する人、店舗展開に成功する人、高単価施術でうまくいく人もいます。
しかし、それはほんの一握りであり、その裏には数多くの失敗例が積み重なっています。
成功している人たちには共通点があります。それは「楽をしようとしていない」ということです。新規事業を立ち上げて成功している人は、試行錯誤を重ねながら努力を惜しまず、何度も失敗しながら成長しています。
店舗展開をしている人も、スタッフの採用・教育に力を入れ、学び続けています。高単価で成功している人も、技術力やコミュニケーション力を高めるために、常に向上心を持って取り組んでいます。
逆に、楽をすることが目的になってしまうと、どの道を選んでも失敗するリスクが高まります。新しい挑戦をする際は、「楽をしたいからやるのか、それとも本気で取り組みたいからやるのか」をしっかりと見極めることが重要です。
今日のお話を通じて、成功者の影には多くの落とし穴があることを知り、慎重に選択していただければなと思います。
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